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太陽光パネルがある場合、屋根は塗らないの?
Q.我が家の屋根には太陽光パネルがあります。外して屋根を塗った方がいいのですか?ある業者からパネルを外して塗った場合の見積りを出すと言われています。
40代男性・築10年・戸建2F・屋根材スレート瓦
A.パネルが載っていない面だけ塗るのがいいと思われます。
理由は、パネルを脱着した場合、この屋根材は割れるリスクがあるからです。この先は少し長くなるので、読み進めたい方だけどうぞ
次の画像は太陽光パネルを載せた屋根ですが、パネルが載っていない面とは、画像の白矢印のところです。
実は、2000年~2008年あたりに製造されたスレート瓦は強度にバラつきがあり、ヒビ割れてしまうものもあります。2016年時点で築10年だと、2006年築なので上記の期間に該当するんですね。
どうしてそうなのか?
2006年、国がアスベストを含む建材の製造を禁止したので、各製造メーカーはそれに先立って2000年頃からアスベストが入っていないスレート瓦を造るようになったのですが、皮肉なことに、アスベストの粘り強さと同等のものはなかなか見つからなかったのです。その為、品質にバラつきが生まれたのでした。
強度にバラつきがある屋根材の上を、外した重いパネルを持って歩くとどうなるのでしょう?まるで薄い氷の上を歩くような・・・(ちょっと違うか⁉︎)・・・まぁ、怖いですね。
また、もう一つ理由があります。新規でパネルを取り付ける時には、架台をまず設置します。架台の一例です。こんな感じのです↓↓↓
この架台は下のような手順で屋根に付けられます。
①屋根に穴を開け→ ②防水シール打ち →③ビス固定→ ④ビスの上から防水シール打ち
逆の手順でこれらを外すとなると、打ち込んであるビスを抜くのです。これはさすがにリスキーで、ビス穴周辺のヒビ割れを起こす可能性があります。これらを勘案して、パネルが載っていない面だけ塗るのがいい、という結論に至ったのです。
でも、パネルを外さないと経年劣化したり、コケや汚れが溜まって劣化するのでは?
という反対意見もあります。確かにその可能性もあるでしょう。ただ、屋根材の経年劣化の一番の原因は紫外線だと思います。パネルが載っていれば、それらは屋根材まで直接届かないので、劣化の進行はかなり食い止められるのではないでしょうか。
コケや汚れは、高圧洗浄である程度は落とせます(完全にではないかも知れませんが)。なので、現時点での私の結論は、パネルが載っていない面だけ塗るのがいい、となっています。
後々、この結論は変わるかも知れません。今後の推移を注視していきたいと思います。そして、この推移をどうしても見続けたい私は、実験をすることにしました。我が家の屋根に太陽光パネルを2016年6月に設置したのです。
我が家の屋根もスレート瓦で、2008年に建てていますので、強度の弱い屋根材かも知れません。太陽光パネルによって隠れた屋根材の劣化がどう進行するのか、しないのか?10年後に報告させていただきます(だいぶ先だな!笑)